問3
次の各文章は、「工場等におけるエネルギーの使用の合理化に関する事業者の判断の基準」(以下、『工場等判断基準』と略記)の内容及びそれに関連した管理技術の基礎について述べたものである。ここで、『工場等判断基準』は、令和4年4月1日時点で施行されているものである。これらの文章において、『工場等判断基準』の本文に関連する事項については、その引用部を示す上で、「Ⅰエネルギーの使用の合理化の基準」の部分は、『基準部分』と略記する。特に「工場等(専ら事務所その他これに類する用途に供する工場等を除く)」における『基準部分』を、『基準部分(工場)』と略記する。1~12の中に入れるべき最も適切な字句等をそれぞれの解答群から選び、その記号を答えよ。また、[A|ab]~[H|a.b]に当てはまる数値を計算し、その結果を答えよ。ただし、解答は解答すべき数値の最小位の一つ下の位で四捨五入すること。なお、単位のm3Nは標準状態(0℃、1気圧)における気体の体積を表す。(配点計100点)
(4)放散熱量から炉壁厚さの計算
炉壁内面温度が800℃の炉で、炉壁外面温度を80℃として側壁外面から周囲への放散熱量を600W/m2以下とするためには、熱伝導率が0.25W/(m・K)の炉壁材料を用いた場合、炉壁の厚さを[B|ab][cm]以上とする必要がある。
30[cm]以上
炉壁厚さの計算手順
(1)問題文の条件を書き出す
(2)熱伝導式へ代入
(1)問題文の条件を書き出す
計算問題の場合は、与えられた数値・条件にマークする、または、書き出す事を推奨します。こうすることで、ミスを減らす事ができます。今回の問題の数値を書き出すと以下になります。
Q/A:放散熱量 600[W/m]
λ:熱伝導率 0.25[W/(m・K)]
ΔT:内面温度-外面温度 800-80=720[K]
t:炉壁の厚さ[m]←求める値
(2)熱伝導式へ代入
熱伝導式に与えられた数値を代入して計算します。熱伝導式は、以下式になります。なお、問題文で単位も示されているので、公式を覚えてなくても単位から導出することが出来ます。
[mathjax] $$ \frac{Q}{A} = \frac{\lambda \times \Delta T}{t} $$
問題文より、「放散熱量を600W/m2以下とする」とあるので、上式に当てはめると以下の不等式になります。
[mathjax] $$ \frac{Q}{A} \ge \frac{\lambda \times \Delta T}{t} $$
よって、炉壁の厚さ t は以下で求めることができます。
[mathjax] $$ t \ge \frac{\lambda \times \Delta T}{\frac{Q}{A}} $$
与えられた式を代入します。
Q/A=600[W/m]
λ:0.25[W/(m・K)]
ΔT:720[K]
[mathjax] $$ t \ge \frac{0.25 \times \Delta 720}{600} $$
[mathjax] $$ t \ge 0.3[m]= 30[cm]$$
よって、炉壁の厚さ t は30[cm]以上である必要があります。単位がcmなのに注意しましょう。
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