問3
次の各文章は、「工場等におけるエネルギーの使用の合理化に関する事業者の判断の基準」(以下、『工場等判断基準』と略記)の内容及びそれに関連した管理技術の基礎について述べたものである。ここで、『工場等判断基準』は、令和4年4月1日時点で施行されているものである。これらの文章において、『工場等判断基準』の本文に関連する事項については、その引用部を示す上で、「Ⅰエネルギーの使用の合理化の基準」の部分は、『基準部分』と略記する。特に「工場等(専ら事務所その他これに類する用途に供する工場等を除く)」における『基準部分』を、『基準部分(工場)』と略記する。1~12の中に入れるべき最も適切な字句等をそれぞれの解答群から選び、その記号を答えよ。また、[A|ab]~[H|a.b]に当てはまる数値を計算し、その結果を答えよ。ただし、解答は解答すべき数値の最小位の一つ下の位で四捨五入すること。なお、単位のm3Nは標準状態(0℃、1気圧)における気体の体積を表す。(配点計100点)
(7)エンタルピーの計算
ある温度及び圧力で、乾き度が0.8の湿り蒸気がある。その温度及び圧力のときの飽和水の比エンタルピーが420[kJ/kg]、乾き飽和蒸気の比エンタルピーが2,670[kJ/kg]であるとき、この湿り蒸気の比エンタルピーは、[D|a.b]×103[kJ/kg]である。
2.2
問題の整理
湿り蒸気の乾き度:0.8
飽和水の比エンタルピー:420[kJ/kg]
乾き飽和蒸気の比エンタルピー:2,670[kJ/kg]
湿り蒸気の比エンタルピー:[D|a.b]×103[kJ/kg]
湿り蒸気の比エンタルピーとは、湿り蒸気1kg中の飽和水と渇き飽和蒸気の比エンタルピーの合計です。それぞれの比エンタルピーを計算していきます。
湿り蒸気1kg中の飽和水の比エンタルピー
乾き度とは、湿り蒸気に含まれる飽和蒸気の質量の割合です。題意より、渇き度0.8であるため、湿り蒸気1kg中の飽和水の比エンタルピーは次式で計算できます。
420 × (1-0.8) = 84[kJ/kg]
湿り蒸気1kg中の乾き飽和蒸気の比エンタルピー
2,670 × 0.8 = 2,136[kJ/kg]
湿り蒸気の比エンタルピー
84 + 2,136 = 2,220 ≒ 2.2×103[kJ/kg]
よって、解答は2.2である。
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