問2
次の各文章の1~9の中に入れるべき最も適切な字句等をそれぞれの解答群から選び、その記号を答えよ。また、[A|a.b×10c]に当てはまる数値を計算し、その結果を答えよ。ただし、解答は解答すべき数値の最小位の一つ下の位で四捨五入すること。(配点計50点)
(3)メタネーションに関する問題
脱炭素技術の一つとして最近メタネーションが注目されている。この技術は、さまざまな排出源から回収した二酸化炭素に水素を触媒反応させてメタン(CH4)を合成するもので、このメタンは、既存の天然ガスのインフラストラクチャーを活用して輸送・ 貯蔵・利用できる。メタネーションで1モルの二酸化炭素を全てメタンと水にするには、理論的に[1]モルの水素分子が必要になるので、この水素をどのように供給するかが伴となり、再生可能エネルギー由来のいわゆる[2]水素を主に供給することが前提となる。ちなみに、化石燃料由来の水素であっても、水素を生成したときに発生した二酸化炭素の大気中への排出を抑える方法の一つである[3]を適用する場合は[4]水素と呼ばれる.
(ア)2 (イ)3 (ウ)4
(エ)CCUS (オ)IGCC (カ)IPCC
(キ)イエロー (ク)グリーン (ケ)グレー (コ)ブルー
[1](ウ)4
[2](ク)グリーン
[3](エ)CCUS
[4](コ)ブルー
[1]メタネーションにおける物質量の計算
メタネーションとは、水素と二酸化炭素を化学反応させ都市ガスの主成分であるメタン(CH4)を合成する技術である。つまり合成メタンをつくる技術です。反応式は次式になります。
4H2 + CO2 → CH4 + 2H2O
(H2:水素、CO2:二酸化炭素、メタン:CH4、水:H2O)
分子記号の前の数字は物質量(mol:モル)を表します。”1”は省略されることに注意しましょう。分かりやすいように、”1”を記載すると次式になります。
4H2 + 1CO2 → 1CH4 + 2H2O
上式から4molの水素と1molの二酸化炭素を化学反応させることで、1molのメタンと2molの水ができることがわかります。水素製造の二酸化炭素排出量低減がメタネーションの課題です。このため、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーを利用し、水を電気分解して水素を製造する技術開発が進められています。
[2],[4]グレー水素・ブルー水素・グリーン水素
二酸化炭素排出量は、グリーン水素<ブルー水素<グレー水素の順に増えることを覚えておきましょう。
名称 | 水素の製造方法 | 温室効果ガス排出量 |
---|---|---|
グリーン水素 | 再生可能エネルギーの電力で水電解して製造する水素 | ゼロ |
グレー水素 | 化石燃料を改質し製造する水素 | 多い |
ブルー水素 | グレー水素の製造過程で排出される温室効果ガスを貯蔵 | 少ない |
[4]CCUS
CCUSは、「Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage」の略で、CO2を回収・分離・貯留することです。回収したCO2の活用も進んでいます。米国では、CO2を油田に注入することで、原油を圧力で押し出しつつ、CO2を地中に貯留するというCCUSがおこなわれており、CO2削減と石油の増産というメリットがあります。
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