電験三種では、公式の丸暗記で問題を解くことができました。しかし、電験二種になると、基本を理解した上で積分などを駆使して解くことが求められます。もちろん解き方を暗記すれば対応することはできますが様々な出題パターンを暗記するのは効率が悪いです。初めは意味が分からないですが理解してしまえば基本式から積分などを駆使してどんな問題でも対応できてしまいます。
ここでは、主に私の復習用として基本的な式などを紹介していますので参考にして下さい。詳しい事までは書いてないのでゼロから理解されたい方は他のサイトを調べてみてください。
点電荷による電界
一番基本となる点電荷の場合で紹介していきます。
電気力線の本数
電荷Q[C]からでる電気力線の本数Nは、誘電率εとすると、
\[\mathrm{N=\frac{Q}{\varepsilon}[本]}\]
誘電率
誘電率εは実験で求めた比例係数であり、真空の誘電率ε0、真空と比較した比誘電率εrとすると、
ε=ε0εr[F/m]
点電荷による電界
点電荷Q[C]からr[m]離れた位置の電界の強さEは、
\[\mathrm{E=\frac{N}{4\pi r^{2}}=\frac{Q}{4\pi \varepsilon r^{2}}[V/m]}\]
この場合、電界は半径rの球面における電気力線の密度のことです。
電界Eは、簡単に表現すると次式になります。
\[\mathrm{E=\frac{電気力線の本数}{面積}}\]
点電荷による電束密度
電束密度Dは、
\[\mathrm{D=\varepsilon E=\frac{Q}{4\pi r^{2}}[C/m^{2}]}\]
電荷Q[C]を表面積で割ったものが電束密度Dになります。
点電荷による電位
点電荷Q[C]からr[m]離れた点の電位、電界E[V/m]を積分することで計算できます。
\[\mathrm{V=-\int_{\infty}^{r}Edr=V=-\int_{\infty}^{r}\frac{Q}{4\pi \varepsilon r^{2}}dr=\frac{Q}{4\pi \varepsilon r}}\]
-がつくのは、電界と電圧の向きが逆だからです。電界は+電荷から無限遠へ向かいます。電圧は無限遠(0[V])を基準として+電荷までの電位差です。
並行平板上の電荷による電界
[条件]
・並行平板の面積A[m2]
・並行平板上の電荷密度は一様でq[C/m2]
並行平板による電界
電界は電気力線の密度である。並行平板上の電荷密度が一様であるので、電気力線密度も一様である。よって、電荷Qは次式で表される。
\[\mathrm{Q=qA}\]
上記電荷Qを電界の式へ代入することで、電界Eを求めることがでます。
\[\mathrm{E=\frac{電気力線の本数N}{面積A}=\frac{\frac{Q}{\varepsilon}}{A}=\frac{\frac{qA}{\varepsilon}}{A}=\frac{q}{\varepsilon}}\]
平面上の電荷による電界
[条件]
・電荷密度は一様でq[C/m2]
・平面は無限に広い
平面上の電界
並行平板の考えを応用して計算することができます。ポイントは2つ。
・平面は無限に広い。この場合、平面の電荷から放出される電気力線は、平面と垂直な方向に向かっていきます。
・電気力線は、平面の両側に向かっていく。つまり半分になる。
これをもとに電界Eを次式で求めることがでます。
\[\mathrm{E=\frac{電気力線の本数N}{面積A}=\frac{\frac{q×1×1}{2\varepsilon}}{1×1}=\frac{q}{2 \varepsilon}}\]
なお、平面導体の場合は、電気力線が片側にしか出ていかないので、並行平板と同一になります。電気力線の向きを常に意識すると理解できると思います。
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