電気主任技術者(電験) 就職・転職

電気主任技術者の就職転職

 電気主任技術者の資格を保有していると、独占業務ができます。これは就職にしろ転職にしろ大きな強みになります。発電所や商業施設、工場などでは、法律で電気主任を置くことが義務づけられています。太陽光発電所でも電気主任技術者が必要です。2000年以降は、資格保有者の高齢化や太陽光発電所の増加に伴い電気主任技術者不足が顕著になってきております。ここでは、そんな電気主任技術者の就職と転職、さらには定年後のことも書いていきます。

もくじ

電気主任技術者の就職

 電気主任技術者が必要な会社では、資格をもっている事で当然有利になります。ただし、電力会社など社内に資格保有者がたくさんいるような会社では、それほど有利にはなりません。

 また、電気主任技術者の資格をもっているという事は、ある程度の電気知識をもっている証明にもなります。

 電気主任技術者の仕事をするにあたり、入社難易度と給料を私の経験で書いてみました。給料は会社規模によって、大幅に振れます。一つ一つ解説していきます。なお、会社規模や社風により、異なりますので参考程度にして下さい。

業種職種入社難易度給料
電力会社★★★★★A~B
電気工事会社設計、施工管理★★☆☆☆A~E
ビルメンテ設備管理★☆☆☆☆C~E
メーカー生産技術、設備管理、保全★★★☆☆A~E

電力会社

良い点
  • 給料が良い
  • 知名度が高く、社会的に信用が高い
  • リストラが少ない
悪い点
  • 資格保有者が多く、電験持ちというアドバンテージが無い
  • 勤務地が、山奥の発電所など僻地になる恐れがある
  • 国の政策に左右される。(2016年の電力自由化により、電力会社が発送電分離された)

電気工事会社

良い点
  • 残業や休日出勤が多いので、給料が高い。
悪い点
  • 小さな会社は給料が安い。残業代が出ない恐れがある。
  • 残業や休日出勤が多く、休めない
  • 夏場の現場は暑くて大変

ビルメンテ

良い点
  • ノルマが無い
  • トラブルが無ければ、仕事が楽
  • 基本的に一人で仕事するので、人と話す事が少ない
悪い点
  • 給料が安い
  • 交代勤務や夜勤、呼び出しがある
  • トラブルがあると、一人で対応しないといけない

メーカー

 メーカーの目的は、製品をつくる事です。電気設備の維持管理などは、縁の下の力持ち的なポジションです。人員も少なく、人を募集しても人が入ってこない会社が多いと思います。このため、妥協して採用することも多いので、ねらい目だと思います。

良い点
  • 上場企業の場合は、給料が高い
  • 電験資格保有者が少なく、昇進や昇格に有利
  • 学歴が中程度でも、電気系学科卒業者や電験資格保有者というだけで、入社できる
悪い点
  • 会議や資料作成が多い。電験の仕事は2割未満
  • ずっと同じ事をする
  • 自分の仕事の成果が社内で目立つことはない。トラブルと目立つ。

電気主任技術者の転職

 転職のために、電験を取得するなら電験二種をオススメします。理由は、上場企業で年収やキャリアアップを十分狙えるからです。以下の表は、私の感覚なので参考程度にして下さい。

電験給料需要転職し易さ
一種600~800万円少ない
二種500~800万円多い
三種400~600万円非常に多い

電験一種の転職

 高収入が期待できます。ただし、とても需要が少ないので、勤務地を絞ると、転職先が見つからないです。以前、私が調べたときは、日立造船(勤務地:大阪)が発電所の主任技術者を募集してました。

 電験一種はとても難しいですが、転職先がほとんど無いので、転職のために取得を目指すのは止めた方がいいと思います

電験二種の転職

 転職を目指すのであれば、一番オススメするのは電験二種です。こちらは、需要も多く、給料アップが狙えます。特にオススメする転職先は、上場しているメーカーです。メーカーの電気技術者は少なく、電験二種の資格取得者が社内で不足している事が多いです。30第前半で電験二種+経験があれば、学歴が無くても上場メーカーへ転職も夢ではありません

 以下のように、私の周りにも電験二種を取得してキャリアアップや年収アップした人がたくさんいます。現状に不満なら絶対目指すべきです。

私の周りの電験二種転職者
  • 40歳で売上5000億円の上場メーカーへ転職
  • 20台後半で上場している大手自動車部品メーカーへ転職
  • 30歳で大手ゼネコンへ転職
  • 56歳で公共施設の施設管理へ転職(年収600万円)

電験三種の転職

 転職先は非常に多いです。平均年収よりは若干高い給料が望めますが、高いとは言えないです。年収200~300万円くらいの人は電験三種を取得することで、劇的に環境改善することができると思いますので、まずは第一ステップとして目指すのがいいです。また、30代、40代、・・・、60代と年齢問わず転職できることも魅力的の一つです。

定年後は契約社員で楽して稼ごう

 電気主任技術者は定年後も活躍することができます。有資格が必要なビルや商業施設、工場は山ほどあります。契約社員として週3日程度の勤務だけで、年収300万円程度得る事ができます。勤務先の企業では、有資格者が必要なだけなので、ほとんど仕事はないです。もちろん、バリバリ働きたいという人は、現役と同じ働き方で好待遇を得る事もできます。このように電気主任技術者の資格を取得することで、様々な選択肢がでてきます。

有資格者の不足問題

 高齢化による有資格者の減少、自然エネルギー発電の増加による有資格者の需要増により、近年、電気主任技術者不足が顕著になってきております。この影響か試験レベルが簡単になってきてます。電験を取得して就職や転職するチャンスだと思います。

 ここでは、経済産業省が公表している資料で状況を説明します。

選任形態および年齢構成

電気主任技術者の選任形態、年齢構成
[出展]経済産業省 電気技術者制度について(2023年3月31日)

 電気主任技術者の半数が50歳以上です。特に20代、30代の有資格者不足が顕著なのが分かります。これらの世代は、資格を取得すればその希少性から就職や転職でとても有利になります。

需給見通し

電気主任技術者の需給見通し
[出展]経済産業省 電気技術者制度について(2023年3月31日)

 今後の需給見通しです。2030年に電験二種は1,000人不足、電験三種は、800人不足します。供給不足という事は、就職や転職者が有利になるという事なので、自身の学歴や職歴から見てワンランク以上アップした会社を狙うことができます。ぜひ、頑張って電験三種、そして次のステップで電験二種の取得を目指しましょう。

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